ダブルケア② 堺市での取組み

○晩婚化や晩産化が進む中、育児と介護を同時に行うダブルケアを行う人が増えています。内閣府「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」(平成 28 年 4 月)によると、ダブルケアを 行う人は、女性 17 万人、男性8万人と推計しています。

大阪府堺市では全国的に先駆けて、「ダブルケア」に直面する人のために、市独自で全7区役所に「ダブルケア相談窓口」を平成28年より設置しています。

https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/gyosei/shingikai/kenkofukushikyoku/seikatsufukushibu/chiikibunkakai/h29/siryou-29nenndo1.files/shiryou1.pdf

「ダブルケアラーにとって、特にコロナ禍は本当に大変です。万一感染してしまったら、家庭をどう回せばいいか、どうしたらいいのか、、答えが出せません。体の悪い高齢者を一人で見るのは辛い。子ども居るので尚更しんどい💦」

こんな声が、ダブルケアラーから届いていました。日常的には、ダブルケアラーの育児・介護のワンオペ状態も伺えます。

堺市の事例から

平成28年に、全国に先駆けて「ダブルケア」独自に相談窓口を全区役所に設置した堺市に、ダブルケアへの取組みについて伺いました。(令和2年4月23日に堺市に依頼、令和2年5月11日に回答)

いまなか

ダブルケア支援事業を実施した経緯を教えてください。

堺市

社会情勢の変化からダブルケア世帯が増えている中、高齢者の相談窓口であり、保健センターから保健師が出向している各区の基幹型包括支援センターに、平成28年10月に窓口を設置しました。

いまなか

今まで、どのくらいの相談がありますか?

堺市

徐々に相談件数は伸びています。相談内容としては、

・障害のある子どもへの虐待

・高齢者への介護が十分にできておらず不衛生な状態となっているケース

・経済的な問題がありサービスの利用料が負担になり利用できずにいたケース

対応としては、高齢者や障害のある子どもへデイサービスやショートステイの利用調整、受診介助、女性相談など関係機関との連携による支援を行いました。

いまなか

相談を受ける職員等はどのような方ですか。

堺市

市の保健センターから出向している保健師を中心に、基幹型包括支援センターの社会福祉士、主任介護支援専門員が、関係部署と連携し、対応して
います。また、市内21か所の地域包括支援センターでも相談を受けています。
また、対応する職員には、育児休業制度・介護休業制度、子どもに関する手当関係、公共職業安定所の役割、ダブルケア窓口の現状等についての研修を行っています。

まずは、ダブルケアを知って欲しい

ダブルケアラー自身がダブルケア状態を認識できずに、日々に追われている方が居ます。また、近い将来ダブルケアに直面する可能性が高い人(予備軍)は多数推測されます。私もその1人です。堺市のような相談窓口を設置している自治体は未だ少数です。現実には。子どもは子ども、高齢者は介護…制度の狭間の問題には「たらい回し」が起きています。

少子高齢化・晩婚化・晩産化が進む日本社会において、ダブルケアは決して他人事ではありません。ダブルケアの当事者だけでなく広く社会全体でダブルケアという事態を知り、受け止めること、この状況を社会で支える仕組みが必要です。